うのたろう
こんなに青春
部活男子イコール高校野球。
すこしもひねずに、直球でどまんなかをねらってくる。
そしてそれがみごと、ねらいどおりの的にあたる。
作者さまのこの精度には毎度感心させられてしまう。
物語は夏の甲子園地区予選。
エースの一ノ瀬先輩とつきあう、主人公・柚月。
そこに柚月のおさななじみ・楓が絡まり、複雑なそれぞれの青春模様を描きだしている。
三人にはそれぞれの夢があり現実があり未来がある。
平面ではない立体的な人物像。
そんななかで、それぞれがだす結論が、読むものの胸の奥の一番底に、いやでもうったえかけてくる。
甘いだけじゃない青春をみごとに描きだしている。
物語のみどころは、やはりクライマックス。
地区予選決勝の試合のシーン。
漫画です。
男くさいです。
かっこいいです。
だが。
それでいて、きちんと少女の物語でもある。
ピッチャー交代のシーンは、本気でしびれます。
こぶしをにぎり、思わずイスを立ちあがる人もすくなくないことでしょう。
ぜひ一読を。
おすすめです。