菜子

携帯小説の中の携帯小説!
主人公が読んでいく携帯小説の短編と、主人公に起きる物語が交互に絡み合う。言葉にすると複雑に聞こえるが、読み手としてはこの発想には感動ものだ。携帯小説の主人公が携帯小説を読んで、感じて、私たち読み手と共に共感するので、よりリアルに感じる。
ラストもありがちな感じではないところが素敵だし、表紙とタイトルからは本当にいい意味で裏切られた。言葉の使い方が丁寧で文字が柔らかく透明な印象を受ける。かなりオススメ。