沈黙の子羊

作者くま

少女のたった一人の家族は、死んだ母親の愛人でした。
独りになることは今更怖くない。
ただ一つ、怖いのは、あなたを失うこと。

好きなことは好き。



嫌いなことは嫌い。





そんな簡単で、当たり前のことが言えなくなったのはいつだろう。





好き、大好き、愛してる。






その言葉を口にするには、資格がいる。






そんなことを知ってしまったあたしは、




静かに口閉じる。






深い深い海に沈むみたいに、


言葉もなく、


涙もなく。






私は沈黙する。













私は、今日も現実に墜ちていく。








両親を亡くし、笑うことを忘れた少女に、生きることを教えたのは、亡くなった母の浮気相手だった。



身代りでもいい、歪んでいてもいい、ただ、私にとっては、あなたが全て。


あなたが、私の世界。