花ごおり 【梅雨見舞い、申し上げます】

作者かぢ

『もしもし?』私はその一言だけで元の私に戻れるのです。触れることは無くても、ラプンツェルの塔から垂らされるおさげ髪のように。

 恋に支配されない。


 どんなにあがいても、心は醒める。


 奥底に、君が居るから何も必要としていない。



 どうして、結婚しなければいけないのですか?


 どうして、無理矢理恋愛しないとおかしいと思われるのですか?






 焼け付くような、この執着心と苦しみの残滓が私にとっての幸福なのに。





 永遠を生きれない。


 一度は互いに死んだと思った。



 今、この世で声を交わす以外に何が喜びだろう?