たぁ
当たり前が当たり前で無くなる…
今まで当たり前に出来ていた事が、何一つ出来なくなる恐怖…。
突如主人公を襲った、喋る事も、食事をする事も、歩く事も……指一本動かす事さえもままならず、ただただ天井を見続ける日々。
そんな中で、妻、親友、信じていた人々が離れて行き、自分の存在価値を見出だせなくなる主人公。
私は生きたい…
私は生きているだけで、迷惑をかけている…
己の中での葛藤は、次第に心を蝕んで行く…。
ベッドの上で、誰にでもなく自分に、頭の中で語りかける主人公の姿が切なく、応援したくなります。
痛々しい症状や、処置方法、手術。
まるで自分が、その場で見ているかの様に、場面を想像出来たのは、医療関係のお仕事をされている作者様だからこそだと思います。
生きるとは何か…
明日が必ず来ると思ってはいけない。
そんな、意識を改める事の出来る物語です。
素晴らしい作品をありがとうございました。