「…えっ?」
「す、好きです。私、隠してたけど…!!」
ーー今止めないとみーくんが。
いや、行かないで。
私だって…っ!!
「…あれ…」
またこの夢だ。
初恋の彼…。みーくんを忘れられない。
そりゃ告白してないから想いは知らないけど。
その時、私はショックで体の水分が消えるようだった。
だから記憶から抹消していたのにーー。
…それでもこの言葉はおぼえていた。
この言葉が私の恋愛を邪魔する。
【ねぇ、美知香。またあの夢みた】
と、チャットアプリで美知香に送った。
すると、すぐに返信が来た。
【…もぉ。ここまで来ると純情じゃなくて優柔不断だろーー】
【だって、みーくんが思わせぶりな態度見せてきたからじゃん】
【ま、もう少しで高校生だから希望持ちなよ】
…いや、無い。私には吹奏楽あれば満足だから。
出逢いなんて期待していなかった。
出逢ったとしても、わたしから避けるはずなのだ。
ーーなのに。
「えー、先輩だけズルいー」
後輩として甘える姿。
「…まず、これさ…。」
先輩とし私に教える姿。
先輩に恋をしてしまった。
『…私じゃダメですか?』