物語はまだ始まりじゃない。遠い遠いセカイにいる彼があたしに気づくことはない。キセキでもないかぎり。でも、遠いセカイはたまにとっても近いセカイになる。
絶対、彼はあたしのことを知らない
あたしは、彼の嘘しか知らない
…――のかもしれない
でも、それでも、
きっとあたしは彼が
スキ。
なんだ
「君、俺のこと」
『………』
「好きなの?」
『っ。』
彼は、キラキラのセカイにいるから。
遠い遠いセカイにいるから。