ナカミ

恋の狂気。
過去を持つ女性・夏子と知り合った大学生・倭。

夏子と暮らし始めて恋に落ちて行く倭。

でも、過去を明かさず心を開いてくれない夏子に、いつしか倭の恋は狂気に駆り立てられて、形を変えてゆく……

大人の短編です。
お互いが好きであるのに、求めあう心がいつしか狂気に蝕まれてゆく様が、切なくて苦しくて、そしてもどかしい。

そのもどかしさが何ともいえずに心にインパクトを与えてくれるお話です。

何が悪いのか解っていても止められないのが恋の狂気だと思います。

求めあいもの愛ならば、離れる事もまた愛。きっと、主人公はひとつ大人の階段を上がって、いつか本当の愛に巡り合う事が出来れば良いと思います。

個人的に「不可思議な引力が彼女にはあって、俺はそれに引き寄せられた衛星だ」という表現が凄く素敵で心に残りました。
上手い!

皆さまもこんな愛の形があるという素敵な短編を是非。

おススメです☆