作品コメント
ログインすると作品コメントが投稿できます
- 月ノ灯リ
愛情のカタチ
不安定で、不確かな想い、
揺れる心と、倭と夏子の儚い想いが切ないです。
人を愛しいと思う気持ち、
でも、その想いは不確かで
相手の気持ちも、
自分の気持ちでさえ、
曖昧で…
だからこそ、
愛し方は人それぞれで…
今まで情熱を持って何かを為した事がない倭は、
夏子への想いをどう表したらいいのか、
わからなくて、
夏子はそそがれる愛情にどう応えたらいいのか、
わからなくて、きっと、何かを抱えていて、
そんな二人の行き着く先は切なくて、
でも、
どこか、出会えた事は無駄じゃないという、
光を感じる作品でした。 - NAO
我を失うほど君に焦がれた日々
夏子と倭の恋は、常に綱渡りをしているような危うい浮遊感が漂っていました。
とらえどころのない夏子に惹かれる倭。
気になっていた夏子の過去に触れた時から、倭の心が少しずつ変化していきます。
過去の呪縛にとらわれた倭は、同じ過ちは繰り返さない、二度と離さないと願えば願うほど歯車は狂い、気づけば夏子に同じ痛みを与えることになっていた自己嫌悪。
嫌いな自分。
こんなはずじゃなかった未来。
それでは、本当の自分とは?
描きたかった未来とは?
夏子がいなくなった今、倭はその答えをみつけるべく、歩き出す。
ぽっかり胸に穴が空いたような虚無感。
けれど、残ったものは香りだけではない。
切なさの中にも、キラリと未来への微かな希望がもてる心に痛い青春ストーリーでした!
おすすめです! - 夏伐さやか
失うことが怖くて
『嫉妬』がテーマということで読ませていただきました。
ミステリアスな雰囲気の
夏子に惹かれていく倭(ヤマト)ですが。
しだいに彼女の過去の男の存在に
苦しめられるようになって…。
好きになりすぎて壊れていく関係。
痛いほど伝わってきました。
切なくて苦しいけれど
“何か”を感じ取れる大人の作品です。 - ナカミ
恋の狂気。
過去を持つ女性・夏子と知り合った大学生・倭。
夏子と暮らし始めて恋に落ちて行く倭。
でも、過去を明かさず心を開いてくれない夏子に、いつしか倭の恋は狂気に駆り立てられて、形を変えてゆく……
大人の短編です。
お互いが好きであるのに、求めあう心がいつしか狂気に蝕まれてゆく様が、切なくて苦しくて、そしてもどかしい。
そのもどかしさが何ともいえずに心にインパクトを与えてくれるお話です。
何が悪いのか解っていても止められないのが恋の狂気だと思います。
求めあいもの愛ならば、離れる事もまた愛。きっと、主人公はひとつ大人の階段を上がって、いつか本当の愛に巡り合う事が出来れば良いと思います。
個人的に「不可思議な引力が彼女にはあって、俺はそれに引き寄せられた衛星だ」という表現が凄く素敵で心に残りました。
上手い!
皆さまもこんな愛の形があるという素敵な短編を是非。
おススメです☆ - 月森ゆら
崩壊・退廃へと向かう愛
読んでいる間、時おり雨の音が聞こえて来るようでした。
彼が夏子さんにのめり込んでいく様子(過程)がリアルでした。
そして『嫉妬』とそれに通じる『独占欲』『支配欲』によって自分を見失い、愛の形そのものが歪んでいく悪循環。
狂おしいほど愛したい。
けれど崩壊へと向かい、傷つけ合ってしまう愛情は怖いですよね。
彼にもう1つ何かがあれば、ここまで愛情に溺れる事は無かったのかな?
若さゆえなのか……。
夏子さんも「どうして?」の連続でしょうね。
原因も全て分かってるけど、それが相手に求めるというよりも支配する事になるから言えないのかな?でも変えられないもんね?
等と私自身、色々と考えさせられた作品でした。深いです。
勝手にリクエストさせて頂き、忙しい中で申し訳なかったかな?とも思ってたのですが、深くて濃い作品を読ませて頂いてありがとうございました☆ - 真紗美
嫉妬と不安で壊れてゆく
大学生の主人公が
雨の日にずぶ濡れの女性を拾いました。
男から逃げてきたようです
自分の部屋に入れました。
2人は心を寄せ合って
幸せに……。
幸せになるには
どうすればよかったのだろう。
過去を話したくない女に不安をつのらす男
見えない生活と過去の男に嫉妬して、自分を見失う主人公。
女が欲しがる安定を男は導く事は出来ない。
だから嫉妬に身を焦がし
学校も休みバイトも休み
女から目を離せなくなり縛り付ける。
壊れた心を治してくれたのは
女の優しさだったのか
深いお話です。
嫉妬で心が壊れる様子に胸が痛みます。
じゃぁ
どうすればよかったのか?と、主人公に問われると私も答が出ません。
でも
女と知り合い
生活して壊れた心を感じた事は
これからの自分を大きく成長させると思います。