神も妖怪も人間もずっと憎んでいた

-何十年と檻に囚われた女-

強い憎しみを持った白狐は神々と出逢う


   いま思えばこの出逢いは神々によって


   誘われた悪戯に過ぎないのかもしれない

 

          けど…


  私は貴方達と過ごしたこの気持ちを忘れない


      『妖精さん、笑ってよ』


      笑うなんて…出来ない…


  『御前の幸福があるよう祈っている』


     独りにしないって言ったのに…


  『君と過ごす日々は尊い時間でした』


    なら…、ずっとこの時間を止めてよ…


   『御前は俺が認めた奴だから胸張ってろ』


    認められなくっていい… 傍にいてよ…


  『貴女に災いがない事を願っています』


     いやッ…別れなんてもういやなの…


『アンタってほんと不細工だよね、ムカつくぐらい』


    …最後みたいな優しさなんていらないっ



      それは昔の日本から始まった


       何千万年と続く白狐一族


   それは神と妖怪の間の中立をしていた存在


    だが、何百年前を境に 何者かによって


   滅ぼされた。だが、白狐の王の子であった


    女白狐(翡翠)だけは生き残ったのだ


  けれど、妖怪により人間界に落とされ


  翡翠は陰陽師によって捕らえられ声を奪われた


     何十年もの間を社の蔵の檻に


     囚われていた主人公(翡翠)は


  ある日、蔵の中から彼女に問い掛ける声を聞く


     導かれるまま声に答えた瞬間


      天候が荒れ落雷により


    翡翠の体は光を放った強い衝撃と共に


     意識を失い――目覚めた先は、


    神々により創られた「箱庭」だった



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神話/純愛/箱庭/白狐…