ユキは九度山にいた。
「私と逃げませんか」幸村が言った
幸村はユキとよく山へ行く仲。
寒いときはユキを抱き締めて寝てくれたし、山賊を倒してくれていろいろ頼れる存在だった
遠くへいくとき、幸村は逃げませんかと言う
幸村とユキは気球に乗り、食料が勝手に年中実るあつい島へと向かった
ユキはたくさん荷物をいれていた
だから気球が海に近づいていた
幸村が自分という荷物を海におろし、あとで無人島に追い付くと約束した
気球はあがってなんとか無人島にたどりついた
無人島にたどりついたが完全に無人ではなかった。
銃をもった男がいた
ユキになにも言わず気球を調べてユキをつかんで立たせた。
「なにするの」ユキの口調は弱かった
「おまえを調べる」若い色白の男は言う。帽子を目深にかぶっていて何を考えているかわからない
ユキの脚から手を滑らせて調べられてユキは怖くなって離れた
「離れるな」
男につかみかかられる
「やめて、服の中になにも入ってないよ!」
そんなユキにかまわず身体を下から丁寧にさわる軍人(?)ユキのきわどい部分まで触れそうになる。
「おい、小娘など捨て置け」
目の鋭い男だった
「はっ」きれいな軍人はユキの身体の線をなぞるようにみて納得したようだ
「あなた誰なの。これから私をどうするの」ユキ
「どうもしない。おれの名前などきいてどうする。気球乗って金持ちなんだろう」
「盗んだやつ。港に放置されてたの」
「は?」
「逮捕しましょうか」軍人がユキに近づいてきて腕をとった「あなた、スパイなのではないですか。私たちの家を探りにきたでしょう」
「そんなことよりここに幸村は来ませんでしたか」ユキ
「そんなことよりとはなんですか、そんな漂流物はないです」軍人
「小娘、おれと探してみるか?」目の鋭い男
「三成、いいのですか?」軍人
「イシトはここで見回りしろ」三成
「了解しました」
イシトは三成には優しいのだなとユキはイシトをみると、
イシトはユキを無表情にみた
きれいな顔をしているから怖い
ユキは三成と歩きだした
三成はユキとならんであるきながらユキを観察していた
ユキは背が低く、童顔で大きなバックパックを背負って三成についていくため小走りしていた
昼ごろから歩いて夕方になっていた
「幸村は泳いで来ているらしいから一周したいところだが、この無人島は無人島の中でいちばん大きな島。旅しなければならんだろう」
「旅してでもさがします」
「海の波が叩きつける崖にいるかもな。そうなるとクライミングもしなければならんができるか」
「クライミング・・・」
「できないのか」
「やってみます」
「おまえにはできないんじゃないか」
夜になって動物がでるからと三成は自宅へかえることにした。ユキは探すといい、
「危険だ。まだ来たばかりで地形もわからぬくせに」
「ヘッドライトあるんです」
「勝手にしろ」
三成は去っていくユキの後ろ姿を眺めた。
ユキは10日経ち、歩きすぎて血マメができていた。森に実がなっていて、ユキはわからないから食べずにいてバックパックの食料は尽きていた
幸村が出てくるんじゃないかと思い、横にならずに座ってサバイバルシートをかぶり崖地をながめていた
「そろそろ探すのをやめたらどうだ」
三成がいた。
「幸村さんはいるんです」
「そんなに恋人がいいか。男などたくさんいるだろう」
「・・・」
「ちゃんと食べているのか」
「幸村さんは食べてないと思うんです。だから私も・・・」
三成がみていたところ、ユキは水しか飲んでいなかった。
「食べろ」
三成は猪肉を用意していた。
ユキは食欲がないようだ
「このまま痩せて死ぬ気じゃないだろうな」
「幸村さんに会うまでいりません」
ユキは泣いた
三成はユキの前で少し食べた
ユキは見向きもしない
ユキはネガティブになっているようだ。食事もろくにとってないからだ。
三成は全部食べようとしてユキに腹がたった
そもそも朝から晩まで歩いているユキをたまに見にきていた自分にも。
三成はユキのあごをつかみ、口をおしつけた
「!?」
ユキは身体がかたまって動けなかった
ユキの胃に肉が入るのがわかった
三成が口をはなしてユキはぜいぜいした
ユキは興奮して赤くなっていた
三成がすごく色っぽく見えた
「もっとほしいか」
「自分で食べます!」