夢の底。「闇」の中で、哀しき死者に、『夢』を与えることを役目とする者達。その中の一人である、「夢織姫」と名乗る少女に、修吾は出会う。
「この世界に、生き人はめったに入ってこぬ。ここに来るのは、この夢(ゆめ)織姫(おりひめ)が織る『夢』が必要な、哀しき死人のみ」
彼女は問う。繰り返し。
「そなたは、なぜここに来た? 」
そして、金色の瞳が、修吾を射抜く。
「何を望んで、ここに来たのじゃ? 」
その厳しい視線は、修吾に逃げることを許しはしない。
そして、天使は、絶望的な予言を与える。
「そう。今のままじゃ、君、彼を失うよ」
竜司に、あっさりと、しかし心が凍るようなことを告げる。
その瞬間。
世界が凍りついたような衝撃を・・・・・竜司は、感じた。