栗栖ひよ子
発想力が凄い!
宝くじで大金を手に入れた人は、幸せになれなかったことが多い、という話を聞いたことがあります。
一生の中で、幸運と不幸の数は決まっている、という話も。
幸運を手に入れるということは、それだけ、人生の中の運を使ってしまっているということ。
この作品を読んで、そんな話を思い出しました。
読みやすく、淡々とした文章のため、自然と物語に引き込まれていきます。
携帯サイトのクイズ、というのも、現実にありそうで、リアルでした。
主人公が質問に答えていくたびに、読む方もだんだんドキドキしていき、緊張と不安も高まっていきます。
そして、ハッピーエンドになると思いきやの、あの結末……!!
質問が出た時の、読者の絶望と恐怖は、ただ事ではありません。
お見事でした!!
無償で幸せを手に入れれば、その分だけ、しっぺ返しが来る。
身の丈以上の幸せを求めてはいけない。
そんな教訓も、この作品には含まれている気がしました。
怖いだけではなく、考えさせられる作品です。