栗栖ひよ子

「そう」だったのか……!!
レビュータイトルには、2つの意味があります。

1つは、謎が解けるたびに、「そういうことだったのか!」と驚愕してしまう作品だということ。

もう1つは、携帯小説版「SAW」と言っても過言でない作品だということで、狂気的ホラーが好きな方にぜひおすすめしたいです。


黒崎さんのホラー小説は、読むたびに洗練されていっている気がします。

当初は気になった、展開やオチへの違和感や矛盾もなくなり、このまま映像化してもおかしくない、質の高いものになっています。

タイトルを、「死神携帯」のようなインパクトのあるものにすれば、もっと読者が増えるのではないでしょうか。


例の人物が出す「課題」も1つ1つがグロく、狂気的で、読み進めるごとに、読者が感じる「痛さ」もだんだん増していきます。

しかし、1つの謎が解けるたびに感じる「なるほど!」という快感がそれに勝り、痛みを堪えつつも一気に読んでしまうのです。


ホラーですが、人間的狂気を描いた作品です。

心霊系ホラーは苦手だという方、謎解き・推理系が好きな方にもぜひおすすめしたいです。