僕には彼女に嘘をつき続ける義務がある
秘密をもつことに罪悪感を感じている『僕』
秘密をもつことに喜びを感じている『彼女』
そんな2人の、優しい嘘に包まれた恋愛。

あれは偶然でもたまたまでもない

奇跡、なんて口が裂けても言えない


でも君が「奇跡」だなんて一寸の淀みのない

瞳で僕に言うから。僕は、あの出会いを。


奇跡 と言うしかなかった。


きっとあの出会いの秘密を君が知ったら

「嘘ついてたのね、今回ばっかりは許さない」

とでもいって、ちょっと僕のことを無視して、

5分もしない内に近づいてきて耳元で言うだろう



「あなたはほんとに」


「嘘つきね」



僕は彼女に、嘘をつき続ける義務がある。