蝋で造られた翼で、太陽まで行けないことくらいわかっていた。それでもやっぱり、私は彼を愛しく思う。
翼をつけても、太陽に辿り着くことはできなかった。
ろうで造られた翼は太陽の熱で溶けていく。
甘く、深く、唐突に
私は彼へと堕ちていく。