無意識に人から愛される君が憎くて、憎くて、大嫌いでした。
部屋から香る、煙草の匂い
見上げた空はいつも粛々と泣いていた。
飛ぼうとしているのに、私の背中に飛べるだけの翼はなくて
片方の翼で必死にもがいて
苦しくて、息がしたくて、泣き叫ぶのに
その声は虚しく静寂の闇に飲み込まれた。
親からも愛されなかった私と
執拗なまでに愛された君
私たちは自分を偽り、モノクロの世界で生きてきたんだ。
菜緒
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香一
じれったいほど見つめあって
辛いくらいキスをした。