破綻の使者。
言伝えによれば、
物事の原理や因果、全ての法則に『矛盾を起こし曲折させ誤謬を見出させる』ことが出来る者であると言われている。
しかし昨日、ある一冊の書物によりこの言伝えは、全くの出任せだと言うことが発覚した。
では、本当の意味とは、
『予定を狂わす与太者、ないし邪魔者』
大幅に改変された言伝え。
破綻の使者とは、ただの邪魔者。
俺こと木塚恭平(きづかきょうへい)は、いつの間にやら異世界に飲み込まれ、いつの間にやら姫の従者となり、そしていつの間にやら破綻の使者となっていた。
…これ、シャレにならんだろ。
異世界から来た破綻の使者と、ちょっと気弱なお姫様のシリアス風味なコメディー劇。
ゴールが遠いし、壁は高い。
それでも、進んでみよう。
だから、
温かく見守ってやって下さい。