ロボサムライ駆ける全7章(115ページ)
「クルトフ。ここ、日本が手にはいるわけですから。心して計画
にかかねばなりませんね。それでどうですか。大阪シティの受け
入れ体制は」神聖ゲルマン帝国のロセンデールは言った。
ロセンデールはいかにもヨーロッパ的な顔立ちであり、言葉使
いも優しく、一見やさ男であるが、よく観察すると、野望を秘め
た目と高貴な育ちを表す高い鼻と、力強い意志をもつ顎が見えて
来る。そして、体全体からは権力を持つ男のオーラが発されてい
るようであった。今年三七才になるが、二〇代後半にしか見えな
かった。
「万全のようです。これも卿の深慮遠謀のお陰」
「くくくっ、ともかくも、世界史上誰もなし得なかったことをし
ようとするわけですからねえ。ところでクルトフ、例の霊能師の
方は大丈夫なのですか」