やる気のない少女、奏恵が特別棟で出逢ったのは目つきの悪い黒髪のイケメン男子
お互い泣き腫らした目をした似た者同士は、次第とその距離を縮めていく



そこが唯一


私の場所だった








「ねえ、名前なに?」



無気力な女子生徒 阪田奏恵(かなえ)





「…吉浦」


「じゃあヨッシーね」


「はぁ?」



学年でも有名な不良男子 吉浦竪海(たてみ)





「…俺は一人になりたいんだ」


「──ならさ」









「二人でいるけど、一人になろう…」









誰も私達を邪魔しない



そこは光もままならない



埃だらけの階段だけど



私達の“悲しみ”が



ひっそりと安らぐ秘密の場所









「踊場相談所」









勝手に付けたその名前を



理解するのは二人だけでいいの





2014.0514 スタート