眠空
壮大なラブロマン。
転校生、記憶喪失、自分に秘められた能力、眼力…などなど、正直既視感は否めませんでしたが、文章力や表現力、読者を引き付ける力もあり、これだけ壮大な物語を完結させられるのは、かなりの能力あってこそだと思います。
ただ、一人称なのに視点がコロコロ変わったのには戸惑いました。
個人的な意見で恐縮ですが、三人称で読みたかった作品かもしれません。
ですが、日常と神秘性の同居、それに伴う主人公の心情の変化や戸惑い、壊れゆく心理もうまく表現されていると思います。
涙を誘う程の小物使い(香水など)もお見事でした。