大切な人達を残して死んでしまった由那(ユナ)は、神様に願った。――わずかな間だけでもいい。傍に居させてください――
……神様。
お願いがあります。
私は、とても大切な人達を
残してきてしまいました。
本当に大切な人達なんです。
だからどうか、
わずかな間でいいから。
傍に居させてください。
見えなくてもいい。
気付かれなくてもいい。
ただ、近くに居させてください。
私の大切な人達が、
幸せになれるように見守りたい。
恩返しを、させてください。
……そのあと、
私はどうなっても構いません。