旬嘉
人と人との繋がりと温かさ
過去の恩人が亡くなったという報せを受けた瑛
士。
その恩人の遺言は孫娘と結婚し、店を継いで欲
しいというものだった。
最初は飲み込めないものの、自分の夢と店を継
ぐという想いが重なり、そよ香が二十歳になる
春まで、という期限付きで結婚することにする
が――。
二組の夫婦と、そよ香の両親、そして瑛士とそ
よ香。
四組の夫婦を通して紡がれるお話です。
それぞれの話に気になることがあり、すらすら
と読め、エピソードの終盤には涙を誘われま
す。
人と人との繋がり、夫婦というもの。
端から見ているだけでは分からない絆と気持
ち。
それらを丁寧に書き出した綺麗な文学作品で
す。