あまぐもの恋

作者

僕らは、止まない雨を生きた。愛してはいけない人を愛した少年とそれを取り巻く苦悩と幸福。目を逸らしてはいけない物と、見なくても良かった物と。青春は僕らに微笑んだ。




好きな人がいた。



生きるに無価値な僕にも。



それは矢張り素晴らしくて、美しくて。




いかにも僕らしくなかった。





いつしか、雨は降りやまなくなって




僕の頭上には雨雲がくっついた。







僕らは雨の中を、もがいて、



そうして、飛べないままで、此の侭。