僕らは、止まない雨を生きた。愛してはいけない人を愛した少年とそれを取り巻く苦悩と幸福。目を逸らしてはいけない物と、見なくても良かった物と。青春は僕らに微笑んだ。
好きな人がいた。
生きるに無価値な僕にも。
それは矢張り素晴らしくて、美しくて。
いかにも僕らしくなかった。
いつしか、雨は降りやまなくなって
僕の頭上には雨雲がくっついた。
僕らは雨の中を、もがいて、
そうして、飛べないままで、此の侭。