高校最後の夏。誰よりも優しく、誰よりも脆いあいつに恋をした。今日くらいあいつの涙を隠せるように、雪を降らせよう。




高校最後の夏。


海に夏祭りに花火、、


普通に最後の夏を迎えると思っていた。





「恋も愛も幻想だと思ってたけどな」




真夏のとろけるような暑さとは真逆。


冷たく淡い言葉を紡ぐあいつ。


いつも甘く静かに笑っては瞳の奥で泣いていた。




誰よりも優しく


誰よりも強く


誰よりも脆い


あいつに


淡く儚い恋に堕ちた




柔らかな日差しに揺れる


あいつの涙を


どうか優しく包み込むように


今日は雪を降らせよう




夏の雪