大球には、「新機類」と呼ばれる生物が生息していた。
「ルウ502」は、天空を走る光の矢を見ていた。ユニコーンつまり、一角獣の外形をした新機類ルウ502にとって、隕石は見慣れた現象であり、注意をあまり払っていない。
大いなる昔、ルウ502達が誕生する前から、この星、大球に張りめぐらされた鉄表は、時の流れをあざわらうかのごとく、傷ひとつ付いてはいない。
「ハーモナイザー」と呼ばれる大球の創造者に対して畏敬の念がルウ502の心に浮かんだ。
ハーモナイザーは、ルウ502にとっても想像を絶する存在で必った。
ともかくも、鉄表には何の変化もない。
よかった。彼は安堵し走りさった。■39ページ完結■