「洪水」人類の敵「ROW」の攻撃で地球は水の星へ変幻。人類因子を持つ生存生物を「フネ」は収集し、人類を再生しょうとする。その前に立ちはだかるのは?

作者飛鳥京香

人類の敵「ROW」の攻撃で。地球は水の星へ変幻。人類因子を持つ生存生物を「フネ」は収集し、人類を再生成しょうとする。その前に立ちはだかるのは?
地球の廃墟で、人類最後の生存者カインは地球滅亡を迎え。彼は生命形態を変え自分から精強なる生物兵器に変貌、地球を再生し敵へ復讐を硬く誓う

●地球再生の鍵を握るモノは?


見渡す限りの波だった。


水の壁は情容赦なく、僕カインの方へ襲いかかってくる。その激流の中で、僕の足はもう焼けただれた建物の屋上には届いていなかった。


放射線で焼けただれた町。

それでも僕には長く棲んでいて愛着があった。

その廃墟が海に犯されていくのを、僕はなすすべもなくただ見ているしかなかった。


海、すなわち大洪水たった。波は、伺度となく押し寄せてきて、廃墟を踪順した。

なじみのある暗い町並は、二度と僕の目の前に現われることは、、ないだろう。


服と呼べるだろうか。そのうす汚れた切れっぱしは、僕の体にまとわりつき、かかげて身勤きは緩慢にたってくる。


水は僕の息をとぎれきせ、言うにいわれぬ悲しみは僕の体をしびれさせていった。