酒月柚夜
喧嘩が目立つ族モノ
喧嘩が滅法強い女子高生・朔。兄二人に溺愛されながら育った彼女は、ある日突然数人の男に襲われ攫われてしまう。事情も分からぬまま“容疑者”として連れ去られた朔。しかも連れ去られた先にいた人物が――?
喧嘩のシーンがよく目立つ作品で、その点については族モノらしいなと感じました。ただ、喧嘩のシーンの文章の末にたまに『!』が入っていましたが、これは読んでて実況みたいなのでやめた方がいいと思いました。文章力がある著者様なら可能だと思います。
それと最初の方は中々ない展開で好印象を得たのですが、暴走族という設定なのに登場人物の行動が浅薄だと感じました。もう少し設定を生かせたらよかったと思います。これは個人的な意見ですが、爽の告白が早すぎて、違和感を感じました。登場人物も個性が薄いような気がし、一人一人目立たせた方がいいと思います。
後、前述に記した通り文章力がある著者様なので、シリアスな展開の時には文章もそれに適するものにした方がいいと思います。ちょくちょく重い雰囲気に合わない文があり、引っかかりを覚えました。
暴走族のお話が好きな方にオススメできる小説です。