「何故私に構うの?」
「あなたが好きだからです。」
「そう言う人、嫌いなの。」
私はこんなやり取りを彼に言っている。
嫌いなわけではない。
でも、いつか消えてしまう。
それが大切になるなんて、私には耐えきれない。
そう思っていたから。
だから、そんなに必要なものを作りたくなかった。
「いつか消える大切なもの、そんなの私にはいらない。」
真っ直ぐな瞳が私を見てくれている。
でも、私のネジ曲がった瞳ではあなたをどんな風に見ていいのか分からない。
あなたを見れないの。
私の事をいっその事、嫌いになってほしい。
「嫌いに...」
「そんなの、無理に決まってるだろ。」
大きな背をした優しそうな彼が私を真っ直ぐな瞳で見ながら、そう言った。
それに私は彼を見ないようそっぽ向きながら彼から逃げた。
失礼を承知しながらも。