わたしには嫌いな男の子がいる。そいつは泣き虫だから。そんなある日わたしのことを「紗羅…」と呼んだ。わたし、紗羅じゃないんだけど。
「紗羅……」
この一言から
わたしたちは始まったんだ。
「わたし、紗羅じゃないけど」
泣き虫なんて、嫌いだよ。
…嫌い。本当に。
ー泣き虫な彼ー