麻井深雪
癒される孤独と叶わない想い
お金に困ったワケあり主人公が、夜の街で男の人に拾われる。
ここまでは正直、よくあるストーリーなのかなと思いました。
けれど文章が上手いのでグイグイと引き込まれます。
内容も面白いです。
そして始まる正体不明の忍さんとの共同生活。
海のような深い愛情でアキの孤独を包み込み、過保護な程の優しさで彼女を甘やかす。
恋愛経験のない女の子がここまでされちゃえば、そりゃ惚れるしかないでしょう。
忍さん、素敵すぎます。
それだけに忍さんから女の人の香りがした時にはアキ同様胸が痛みました。
忍さんの正体にも。
アキの悩む気持ちに共感できました。
ここまで大切にしてくれるのに、想いを受け入れてくれない忍さん。
届かない想いに苦しむアキちゃんに、胸が締め付けられました。
想いを受け入れないのに、「そばにいて」と願う忍さんの闇とは一体何なのか。
そばにいる為に自分の想いを封印することを決意したアキちゃんが切ないです。
続きがとても気になります。
後編も頑張ってください。