あなたと私とハイヒール【完】

作者柏木センリ

憧れだった踵の高いハイヒール。はやく大人になりたかった。コツコツと踵を鳴らして颯爽と街を歩く、大人の女になりたかったのに。

昔からから憧れだった



踵の高いハイヒール



幼くて無邪気で、穢れのなかったあの頃

母の履くハイヒールを勝手に履いてよく怒られた





ねえ、どうか。


ねえ、だれか。




何も知らなかったあの頃に戻りたい


私が成長して手に入れたのは





沢山のハイヒールとちっぽけなプライド