あなたと出会ったとき、まさか好きになると
思わなかった。
だから、安心したの。
あなたのことだけは
好きになってはいけないって
きちんと理解してたつもりだったから。
風に揺れる私の髪を
優しい笑顔でなでてくれた人。
私があなたを想うように、
あなたも、私を想ってくれている。
それは世間では「両想い」と呼べるかもしれない。
でも
―「言えない」。
「好き」のひとことがすべてを変える。
あなたは大切なものを失う。
あなたの幸せは、私といることじゃない。
「好き」のひとことがこんなにも怖い。
手を伸ばせば触れられる距離にいる…
それがこんなにも切ない。
言わないけど、きっと言えないけど、
でも、ホントにすごくすごく好きだよ。
あなたを忘れられる日は、きっと、ずっと
来ない。
日吉花菜、高校2年生。
初めて本気で好きになった人は、
好きになってはいけない人だった。