森が青々と茂りその隙間をぬって風が彼女の前髪を揺らした。
「ん…。」
森が青々と茂る。その森に細々とした川。そのふちの大きなゴロゴロ岩が多くあった。
その中の一つ。彼女は寝ていた。
前髪がまっすぐに切られいわゆるパッツンとされた前髪。その両脇から長く細々とした髪が玉により束ねられその髪よりやや短い後ろ髪をバサリと広げて寝ていた。
彼女は、目を覚まさなかった。
頬に水のしぶきがかかる。
「くぁ…。」
彼女は目を覚ました。緑の目をした彼女が上半身を上げ岩に両手をつき空を見るような形で上を見る。
「…。今日も元気ね…。」
長いまつげで眠そうに言った。
これは主人公になることを誰よりも嫌う少女の物語。