最中
五感を駆使して時間をかけて、是非ともときとき読んで下さい
気づいたら箱の中にいた。
私の周りを白い板が囲んでいて、おお私猫と思ってしまう。何の事はない。リビングの壁が白いのだ。どうせなら闇でよい、誰かひとりいると分かってる箱の中にいたかった。
私はこの小説の言葉達を、きちんと全部理解してあげた自信がある。自信はある。ただ根拠はない。恐い感じ。もしひとり、もしくはふたりとか、凄くかくれんぼが上手いのがいたらどうしようと思って、もう一度読んでしまった。
そうしたのはこれが初めてだ。私、基本小説は一回きっかり勝負の女なのだ。疲れるからだ。
ひとつ、再び結んだ手は更に熱くなっていたと、あれは普通冷える。ですよね、どちらが良かったのかな、と考えてやはり熱くなっていて欲しかった。体感温度なのだ。いまいち聞こえない鼓動も好き。
一番小さい箱は私の皮膚で、もうそれ以外は全く分からなくて、既にホラーの域の恋のお話。恐い。甘い。あたたかい。熱い。
何かを知らない事は不幸じゃない…のかもしれない。1でも0でも2分の1でも、全部結局いなくなる。幸せなんて幻だ。だからよい。
終わらない終わり方も好きだ。猫好きの方は少し注意。