- 最終更新日
- 2013/09/16
- 作品公開日
- 2010/05/10
- ページ数
- 完結 22ページ
- 文字数
- 10,215文字
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- ゆず
芸術性の高い文学 ねこのナナ… 痴話喧嘩する恋人の間で 色々と思考をめぐらせ… はしないナナ。 まさにまんなかのナナは、 そこに「いる」だけで存在を認められる唯一無ニの存在。 だけど、それを主張しない。 こうなってくると達観した生物のように思えてしまいました。 それに反して、俗物を漂わせる人間。 その象徴としての痴話喧嘩であり、携帯であるのだろうかと。 それでも、やっぱり人間くささは愛おしい。 ナナもきっとどこかでそう思っていて欲しいなと思いつつ… そんな頭はないんだと苦笑してしまいます。 たまにナナになれたらどんなに楽なんだろう… 短い文章の中にあまりに深いメッセージ性があって… だけど本当は何も考えずに読むのが一番なのかもしれないと思わされた作品でした。 自己世界の表現が芸術的で、あっというまに惹き込まれてしまいました。 お薦めです!
- さとみなおき
そこに在るということ ナナは猫です。 壬己という男に飼われています。 絵心は壬己の恋人です。 ナナは壬己と絵心の前に在ります。 人間たちは相手の関心を引こうとしたり、勤めをしていると思いこもうとしたり、自分を上位に置きたがったり下位に置きたがったりしています。 だけどそんな風にして自分の居場所を決めようとしても、それはいつも相対的で不確かに感じられて。 そんな人間たちの前で、何を思う頭もないナナは、ただ、そこに在ります。 希望も絶望もない世界で生きているナナ。 だからこそ、確かに存在しているナナ。 「神などいないといえよう」 だけど私には「もしも神様が存在するのなら、それってナナみたいなものなのかも知れないな」と思ったりもするのです。
- 佐野香
ぎゅぅうううっ 読ませていただきました。 表紙のナナちゃんがとても愛らしくて、猫好きの血が騒ぎました。胸がこう、きゅぅううっとですね……っ。 そして物語のほうには、理央さんの作品のファンであります私がこう、何と言いますかぎゅぅうううっと……ぎゅぅうううっと(くどい)引きずり込まれる感じでありまして。 絵心さんと壬己さんの、痴話喧嘩と言ってしまって良いのでしょうか、しかしあの会話に、揺ぎ無い信頼と愛を感じました。あんなにわ-って言い合って、でもラヴラヴなお二人がうらやましいです。 きっと携帯電話の捜索はお二人で仲良くするのでしょうね。そしてまんなかのナナは何を思うでもなくそれを見つめる(?)。シ- イズ ソ- ク-ル! 理央さんがおつくりになる世界が、本当に大好きだなぁと、改めて実感させてくれる作品でした。