ゆず
芸術性の高い文学
ねこのナナ…
痴話喧嘩する恋人の間で
色々と思考をめぐらせ…
はしないナナ。
まさにまんなかのナナは、
そこに「いる」だけで存在を認められる唯一無ニの存在。
だけど、それを主張しない。
こうなってくると達観した生物のように思えてしまいました。
それに反して、俗物を漂わせる人間。
その象徴としての痴話喧嘩であり、携帯であるのだろうかと。
それでも、やっぱり人間くささは愛おしい。
ナナもきっとどこかでそう思っていて欲しいなと思いつつ…
そんな頭はないんだと苦笑してしまいます。
たまにナナになれたらどんなに楽なんだろう…
短い文章の中にあまりに深いメッセージ性があって…
だけど本当は何も考えずに読むのが一番なのかもしれないと思わされた作品でした。
自己世界の表現が芸術的で、あっというまに惹き込まれてしまいました。
お薦めです!