量子なる恋
あたしは
月を見ていた
2010/02/12 Open Category:恋愛(詩的) 文字サイズの調節推奨。
- 最終更新日
- 2013/09/04
- 作品公開日
- 2010/02/12
- ページ数
- 完結 63ページ
- 文字数
- 6,303文字
- セルフレイティング
- 性描写
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- さとみなおき
今は夢の中 箱の中のことは、箱の中にいるものにしかわからない。 恋の存在はその恋の中にいるものにしかわからない。 中にいたはずの自分が、いつの間にか外にいて、その箱を眺めて。 中にいたときには確かに生きていると感じていたものが、今はもう曖昧。 今を生きている自分にとって、未来はいつも確率でしかない。 いまとなっては曖昧な過去も、ただの確率でしかないのだろうか。 箱の中身はもう死んでいるのだと決められない彼女のつぶやきが、胸にしみわたってゆきます。
- 最中
五感を駆使して時間をかけて、是非ともときとき読んで下さい 気づいたら箱の中にいた。 私の周りを白い板が囲んでいて、おお私猫と思ってしまう。何の事はない。リビングの壁が白いのだ。どうせなら闇でよい、誰かひとりいると分かってる箱の中にいたかった。 私はこの小説の言葉達を、きちんと全部理解してあげた自信がある。自信はある。ただ根拠はない。恐い感じ。もしひとり、もしくはふたりとか、凄くかくれんぼが上手いのがいたらどうしようと思って、もう一度読んでしまった。 そうしたのはこれが初めてだ。私、基本小説は一回きっかり勝負の女なのだ。疲れるからだ。 ひとつ、再び結んだ手は更に熱くなっていたと、あれは普通冷える。ですよね、どちらが良かったのかな、と考えてやはり熱くなっていて欲しかった。体感温度なのだ。いまいち聞こえない鼓動も好き。 一番小さい箱は私の皮膚で、もうそれ以外は全く分からなくて、既にホラーの域の恋のお話。恐い。甘い。あたたかい。熱い。 何かを知らない事は不幸じゃない…のかもしれない。1でも0でも2分の1でも、全部結局いなくなる。幸せなんて幻だ。だからよい。 終わらない終わり方も好きだ。猫好きの方は少し注意。
- 永
私たちは箱の中で生きている これはストレートに深い! 箱の外側の研究者のように 私たちは目に見えるものしか知らないし、 逆にいえば目に見えないものは有無、生死もすべて同じで。 箱の中の猫のように 私たちは隔離された自分たちの世界の中で確かに生きている。 哲学的なテーマを少女、少年の可愛らしいやりとりで ほんわりと包み込んでいます。 月は外の哲学者たちにも 中の少女たちにも見えるもので。 私は「シュレさんの猫」も「月を見ていた」も 両方読むことをぜひおすすめします!