NOEL

他人事ではない、現代のための物語
気楽なキモチでオンラインゲームのバーチャル世界に足を踏み入れた女子高生2人。

待ち受けていたのは、人身売買を行う輩と、大きな傷をもった沢山の人間だった…──。


そんな、一見ファンタジー要素を含むが、現在の現実的な問題を題材として描いた物語に、

のめり込むかのように読み入ってしまいました。


ストーリーは真面目な要素も含みますが、個性的なキャラによって、テンポ良く進められ、ページ数を感じさせない場面展開だったと思います。


今、現代でも当たり前のように広まっている“バーチャル世界”。
それは、今を生きる私たちには、非現実ではない舞台。

さらに、親子の事情やいじめ、その上“薬物”までもがメインストーリーに組み込まれていて、他人事とは思えない世界観に圧倒されました。

そして物語を読んでいくにつれ、様々な愛情表現があることや、未来に進むための強さ、絆の深さを知れた気がします。

誰にだって、忘れたい過去がある。それを背負い、未来に進むことが何より大切なのだと気づかせてくれる作品でした。


ぜひ、下巻も読ませていただきます。