切ないけれど、温かい。
恋人が亡くなってしまうという悲恋のお話は過去に幾つか拝見しましたが、彼が亡くなってから幽霊になって現れる、というのは初めてで、どのような内容かとても興味をそそられました。
最初は、少しコミカルで爽やかな高校の夏を彷彿させていたのに、途中から、本当に、綺麗で丁寧な心情や情景の描写にず作品の中に引っ張り込まれ、主人公であるかのように、、夏生が純への思いを口にする度に、純が、生前の夏生との思い出を思い出し、触れてもお互いを温め合うことのできない切なさを噛み締める度に、なんとも言えない悲しい気持ちになってきて、それでも、しっかりと根底に根付く夏生の優しさに、涙を止めることができませんでした。
そして夏生とのお別れの場面は、不意に私の大事な人が頭の中を過ぎってしまって、あの人も亡くなってからこんなことを思ってくれていたのかな、とか、いつまでも見守ってくれているんだろう、とか色々気持ちが込み上げてきて、他人の作った作品なのに、私の大事な人との思い出が蘇ってくるようでした。この作品の良さは実際に読んでみないとわからないので、是非ご覧になっていただきたいです。
疎いレビュー、すみませんでした。