ぱちり、と目を覚ました君を僕は見つめる。
誰にも譲れない特等席から。
まだ少し眠気が残る君は、頭をゆらゆら。
寝起きの無防備な顔も、色素の薄い髪も、一瞬揺らめく瞳も。
今すぐに抱き締めたくなるくらい、君がすきだ。
だから。
だから、どうか。
どうか、神様。
彼らが、永久に共にありますように。
君はいつも、僕にチーズケーキを買ってくる。
僕はそれが、本当は苦手で。
だけど何故だか、今はどうしようもなく。
チーズケーキの癖のある甘さが、恋しいと思う。
それを思い出しながら、僕は、強く瞼を閉じた。
さぁ、別れの準備をしよう。