芙佳

美しい景色
この作者様の絵本はすべて拝読しましたが、
どの作品も『言葉選び』がすごく好きです。
優しくて、美しい言葉たち。流れるようなリズム、切ない世界。

この作品では、とにかく『語られる景色』が素晴らしくて、想像しては、うっとりしました。

言葉のみで語られる景色。盲目のウサギには、それが実在する景色かどうかは分からないけれど、

『実在するかどうか』なんて、実は意味がないのかもしれないと思わせられました。

心に存在すれば、それが本物。

心酔しながらも、やや冷静に疑問に思ってしまったのは、
お世話役のウサギが居なくなってから、食事等には困らなかったのかなということ。
景色云々以前に、死活問題。目が見えなくても食うには困らなかったのか。
この辺りをさらっと説明する一文があれば、引っ掛からずに読めたかなと思いました。