堕落の愛し方

作者Mayu

『愛のある行為ほど、嫌悪する。』

 愛は暴力だ。
 殺される。彼の深すぎる愛に。

 ボロアパート、『たじかわ荘』。


 そこに住む生きた堕落『安西 蒼真』と、

 その隣人『藤堂 湊』。



嫌いだ。見透かしたような文章を書くあの男が。


隠れた天才は俺を見透かして、目の奥を見つめてきた。

誰も入ってくるな。愛なんていらない。


愛なんて、ただの暴力と一緒で、痛くて、恐くて、醜くて。


だから怖かった。

人生なんてどうでもいいと思っていた俺が、いつの間にか、欲しいものを手に入れられそうになっていたから。



ほしいものが、できてしまったから。


いらないはずなのに。嫌いなはずなのに。


心の底から欲しくて、ぐちゃぐちゃにしたくて、知りたくて仕方ない。


堕落した俺を、愛してください。