酒月柚夜

全てが一味違った族モノ
容姿端麗でいつも皆の中心にいる妹・飛鳥を持つ梓。学校に友人はいなく、独りの彼女が出会った"CB"と呼ばれる暴走族の人達。自分を"飛鳥の姉"としてではなく"梓"という一人の人間として見てもらいたかった梓と彼等が育む恋愛と友情。

『梓の幸せは私が奪うから――』

シリアスもコメディーもある作品で、他の族モノとは一味違った小説です。妹の飛鳥も、ありがちに姉思いというわけではなく、上記のような台詞を口にしていてとても面白かったです。

しかし、少し気になる点があり、今回★四つとさせて頂きました。

まず、話が淡々としていて上手くいきすぎだと感じました。もう少しキャラの心情や行動を細かく描いた方が臨場感やリアリティーが増すのではないかと思います。次に、これは基本的なこと。文章が淡白になりがちで説明不足でした。たまに誰が何の台詞を言ったのか分からなくなります。それと括弧の最後の文末に句点は不用です。一部"///"が使用されていて、これは小説の表現技法にはそぐわないので使用は控えましょう。

よくある暴走族の話に飽きた、泣きたいし笑いたいというお方にオススメできる作品です。