『あたしを、利用すればいい。』
「･･････ーーーでもそれは、碧を利用することになる。」
『そんなの、気にしなくたっていいよ。
ていうか、あたしだって郁を利用することになるんだし。』
「なんで、」
『あたしは、誰でもいいから傍にいてほしい、寄り添ってほしい。
誰かの、温もりが欲しい。
郁は、あたしに元カノを重ねればいい。
それで郁の傷を癒せるかどうか分かんないけど、気休めくらいにはなりそうじゃない？
だから、
･･････ーーーあたしと、恋人ごっこ、しよ？』
こうして始まった、
郁(ユウ)と碧(アオ)の誰も知らない歪な関係。
いつか、2人の想いが報われるときは来るのだろうか。