音羽シュウ
単純なのに、この豊潤さ。
主人公チハル。
彼女の世界はとても明快だ。
自分と、側に居るほんの一握りの人達。それが全て。
頭の中だけで話を完結させてしまう事が多く、その為か人付き合いがあまり上手くない。
そんな彼女の前に突如、アツシという一人の男が出現したことによって、チハルの世界は色付いていく――
文章も内容も少し単調気味で物足りなくも感じるけれど、独特の世界観がそれすらも味だと思わせられるから非常に面白い。
因みに激甘注意報。ここまでいくといっそ清々しく、素直にキュンキュンさせられる。また、二人の会話のズレっぷりも大いに見物だ。
彼女の世界がこれからどう変化していくのか、とても楽しみなところです。