アイリス(yuki)

今年の夏におすすめの長編小説!
夕日に照らされて海が輝く西の街。
新しく赴任して来た一人の若き検非違使と、その街に住む人々とが織りなす愛と男同士の友情の物語。
異国情緒とレトロな雰囲気が漂います。


真摯に淡々と書かれた文章の美しさには、作者様の類まれな才能を感じました。
折り重なるように続く感性を擽る言葉の描写。
文面から色彩を感じ取る事が出来て、頭の中に情景が浮かぶ楽しさが膨らみました。


この街に伝わる囁石(ササヤキイシ)
石と話をして「了承」してもらわないと、一切の加工が許されない。
加工する事により鋼よりも堅く、蔦よりもしなやかで、いろいろな色彩にも変化する不思議な鉱石。


人間と話ができる猫。
街を襲う盗賊との闘い。
お話がファンタジーのように広がって行きます。
夏休みにおすすめの一作、是非お読み頂きたいと思います。


作者さまへ
大変レビューが遅くなってしまい、申し訳ありません。
言葉の足りない私が書かせて頂くのには、もったいないぐらいの素晴らしい作品でした。
これからもロマン溢れる素敵な作品を期待しております。