「その瞳を、黒く深くぐちゃぐちゃに濁したいんだ。」
悪魔が私を堕としていく───……
「あいつは俺の、唯一無二だ。」
絶対的闇の支配者が、動く。
「一生かけて、あいつを護ると決めたから。」
白き龍も、舞う。
「あの人が、決めたことなら。」
月に忠実に従う騎士達も、腰を上げ始め。
「嫌い、なんだよ。
その漆黒の髪が。目が眩むようなその美しさが。」
闇を抱えた鷹が、憎しみをさらけ出す。
深い闇を照らす優しい月に。
全てを包み込むようなあの光に。
愛しい、彼に。
逢わせて下さい。
「……五月蝿いのよ。」
囚われた月の華。
闇に咲き誇る華を奪われた彼らは、誰にも止められない。
「行くぞ。」
今、動き出す───…
囚われた姫を、助けることはできるのか──…?
こちらは月華Ⅱです。
先に月華Ⅰをお読み下さい。