この作品の章の番号はニーチェ著『善悪の彼岸』の区切りの番号に準え割り振られています。この作品の中における一、二という番号が割り振られた章の内容は『善悪の彼岸』に著述された区切りに対応した内容に対する解答と連想によって構成されています。ですから『善悪の彼岸』の区切りと同様にこの作品の章の番号は二九六あります。この作品には、『善悪の彼岸』に著述された内容に対する連想と解答が書かれているので、その作品の内容と照らし合わせながら読み進めていくのも面白いでしょう。しかし、この作品はニーチェの『善悪の彼岸』から多くの言葉は引用しているものの、『善悪の彼岸』とは内容的にも思想的にも全く別のものであり、私としてはニーチェの思想を現代の東アジアの観点から一歩推し進めた独自の思想を描いたつもりのオリジナルの作品です。『善悪の彼岸』と照らし合わせることが無くとも十分に読み進めていけるような構成になっています。