微炭酸ヒーロー

作者佃煮 ひじき

同じクラスの稚咲君は、完璧で、切ない男の子だった。

無気力な君。

だるそうな君。

脆そうな君。




『どんなに俺を好きになってくれても、

 どんなに俺が金森さんを好きでも、

 付き合えないよ?


 …、辛い、よね。』




ふにゃりと笑った君の言葉の意味を、

私はまだ知らない。




『俺の事、大嫌い、死んじゃえって、

 そう言って?


 そしたら、悲しいけど、悔しいけど、

 金森さんを愛しちゃうより、全然

 耐えれると思うんだ。


 金森さんの幸せ、願ってるからね。』




声をあげてわんわん泣いた君の言葉の

意味を、私はまだ知らない。